第20章 脹相〜頭を撫でる〜
髪を撫でる。
額にかかった髪をそっと横へ避ける。
そして、また頭を撫でる。
「……」
なぜこんなことをしているのか。
脹相自身にも、まだよく分からない。
ただ。
あなたが安心したように目を閉じる姿を見ると。
もっと撫でていたくなる。
それだけだった。
付き合っているわけではない。
だから、この気持ちに名前をつけるつもりもない。
今は。
ただ、あなたが嫌がらない限り。
こうして傍にいたい。
そう思っている。
「……おやすみ」
眠っているあなたには届かないほど小さな声。
脹相は最後にもう一度だけ。
そっと頭を撫でた。
その手つきは。
まるで大切なものを扱うように、どこまでも優しかった。