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呪術廻戦〜脹相〜

第18章 脹相〜後ろのチャック〜


休日の朝。

 今日は脹相と出かける予定があった。

「脹相、ちょっといい?」

「ああ」

 リビングにいた脹相を呼ぶ。

「これ、見て」

 私は新しく買ったワンピースを着て、脹相の前に立った。

「どう?」

「……似合っている」

「ほんと?」

「ああ」

 短いけれど、脹相がそう言ってくれると嬉しい。

 鏡の前で一度全身を確認する。

「……あ」

「どうした」

「後ろのチャック、閉めるの忘れてた」

 背中へ手を回す。

 けれど、うまく届かない。

「ん……」

 何度か試してみる。

 あと少しなのに、手が届かない。

「脹相」

「ああ」

「お願いがあるんだけど」

「何だ」

「後ろのチャック、閉めてくれない?」

「……」

 脹相が止まった。

「……俺が?」

「うん」

「……分かった」

 返事はいつも通りだった。

 けれど。

 脹相の耳が、ほんの少し赤くなっていた。

「後ろ向けばいい?」

「ああ」

 私は脹相に背を向ける。

「お願い」

「……」

 脹相が一歩近づく。

 距離が近くなる。

 普段なら何とも思わない距離なのに。

 今日は、ワンピースの背中に手を伸ばされるというだけで、少し緊張する。
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