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呪術廻戦〜脹相〜

第17章 脹相〜看病〜



 目が覚めると。

 部屋は少し暗くなっていた。

「……ん」

 まだぼんやりする。

 隣を見る。

 脹相が椅子に座っていた。

 どうやらずっとそこにいたらしい。

「脹相……」

「ああ」

「ずっといたの?」

「ああ」

「寝てない?」

「少しは寝た」

「嘘」

「……」

 脹相が目を逸らす。

「寝てないじゃん」

「お前が心配だった」

「……」

 私は少し笑った。

「過保護」

「そうかもしれない」

「ふふ」

 体温を測る。

「……37度」

「下がったな」

「うん」

 脹相が少し安心したように息を吐く。

「よかった」

「そんなに心配してた?」

「ああ」

 即答だった。

「お前が苦しそうにしているのを見るのは、嫌だ」

「……」

 胸がきゅっとなる。

「ありがとう」

「ああ」

「脹相がいてくれてよかった」

「……俺も」

「え?」

「俺がお前の傍にいられてよかった」

 そう言って。

 脹相はそっと私の額に手を当てる。

「まだ少し熱い」

「じゃあ、もう少し休む」

「ああ」

「……ねえ」

「何だ」

「また手、握ってて」

 脹相は少しだけ目を細める。

「分かった」

 また手を握ってくれる。

 その温もりに安心して、私は目を閉じる。

 まだ付き合っているわけではない。

 それでも。

 こんなふうに大切にされると。

 この人の隣が、少しだけ特別な場所に思えてしまう。

 そして脹相もまた。

 眠りについたあなたの手を離さないまま。

 静かに傍にいた。

「……早く元気になれ」

 小さく呟いて。

 もう一度だけ、優しく手を握った。
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