第15章 脹相〜友達の恋愛相談〜
「二人に相談したいことがあるんだけど」
休日の午後。
私と脹相は、友達と三人でカフェにいた。
向かいに座っている友達は、さっきから何度もカップを持ち上げては置いている。
いつもより落ち着かない様子だった。
「どうしたの?」
私が尋ねると、友達は少し恥ずかしそうに笑った。
「実はね、好きな人がいるの」
「えっ、本当に?」
「うん」
私は身を乗り出す。
「誰?」
「それはまだ秘密」
「えー」
「でも、どうしたらいいか分からなくて」
友達は小さくため息をついた。
「たぶん向こうも、私のことを嫌いではないと思う。でも、好きなのかどうかが分からないの」
「なるほど……」
私は真剣に考える。
「普段、その人とはどんな感じなの?」
「普通に話すし、たまに二人でご飯にも行くよ」
「じゃあ、結構仲良いんじゃない?」
「そうかな」
「うん」
私は頷いた。
「二人でご飯に行くなら、少なくとも一緒にいるのが嫌ってことはないと思う」
隣で脹相が静かに話を聞いている。
友達が脹相を見る。
「脹相はどう思う?」
「俺か」
「うん。男の人の意見も聞きたい」
脹相は少し考えた。
「……相手の気持ちが知りたいなら、少しずつ距離を縮めればいい」
「距離を?」
「ああ」
「例えば?」
「二人で過ごす時間を増やす」
「うん」
「相手が何を好むのか覚えておく」
「なるほど」
「それから、困っているときに傍にいる」
友達は真剣に頷いている。
「確かに……」
私は脹相を見る。
「脹相って、そういうこと考えるの得意だよね」
「そうか?」
「うん。ちゃんと相手のこと見てる感じする」
「……」
脹相は一瞬だけ黙った。
「そういうものだろう」
淡々と答える。