• テキストサイズ

呪術廻戦〜脹相〜

第13章 脹相〜帰ってこない日〜


その日は、脹相が家にいない夜だった。

「今日は泊まりになる」

 朝、出かける前にそう言われていた。

「そっか」

「ああ。帰るのは明日の昼頃になると思う」

「分かった」

 いつものように答えたけれど。

 玄関のドアが閉まったあと。

 家の中が、いつもより静かに感じた。

 たった一人いないだけ。

 それなのに、妙に広い。

 夕食を食べても。

 テレビを見ても。

 お風呂に入っても。

 なんとなく落ち着かない。

「……寂しいな」

 誰もいないリビングで、ぽつりと呟く。

 付き合っているわけではない。

 ただ一緒に住んでいるだけ。

 そう思っているのに。

 いつの間にか、脹相がいることが当たり前になっていた。

 ソファに座る。

 いつもなら隣に脹相がいる。

 何も話さず本を読んでいることもある。

 たまに「眠いのか」と聞かれることもある。

 そんな何気ない時間が、今日はない。

「……早く帰ってこないかな」

 言ってから、自分で苦笑する。

 帰ってくるのは明日だ。

 分かっている。

 スマホを見る。

 時刻はまだ夜の九時過ぎ。

「寝ようかな……」

 けれど立ち上がる気にもなれず。

 そのままソファに横になった。

 少しだけ。

 ここで休んでから寝室へ行こう。

 そう思っていた。

 ――いつの間にか眠っていた。

 
/ 126ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp