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呪術廻戦〜脹相〜

第11章 脹相〜出かけていたら友達とばったり〜


残された私たち。

「……」

「……」

 少し気まずい。

 けれど。

 脹相はまだ手を繋いでいる。

「ねえ」

「何だ」

「もう友達行ったよ」

「ああ」

「人もそんなに多くないよ」

「……ああ」

「じゃあ、手……」

 私は言いかける。

 すると脹相が私を見る。

「……嫌か?」

「え?」

「俺と手を繋いでいるのは」

「……嫌じゃないよ」

 そう答えると、脹相の表情が少しだけ柔らかくなった。

「なら、このままでいい」

「うん」

 私も握り返す。

 二人でまた歩き出す。

 付き合ってはいない。

 まだ。

 けれど。

 友達に指摘されたことで、今まで当たり前だった距離が、急に特別なものに思えてきた。

 脹相も同じだった。

 握った手を見下ろしながら、胸の中で思う。

 ――いつか。

 この手を繋ぐ理由を、「人が多いから」ではなくしたい。

 そんな日が来ることを。

 脹相は、密かに願っていた。
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