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呪術廻戦〜脹相〜

第11章 脹相〜出かけていたら友達とばったり〜


「……」

「……」

「……え?」

 友達の目が大きくなる。

「今、嫌だって言った?」

「ああ」

「手を離すのが?」

「ああ」

「……」

 友達が私を見る。

「ねえ」

「な、何?」

「これ本当に付き合ってないの?」

「……付き合ってないよ」

「嘘でしょ」

「ほんと」

「じゃあ脹相のあれ何!?」

 私も答えられない。

 脹相は黙っている。

 けれど、繋いだ手だけは離さない。

「……」

 友達がため息をつく。

「なんかもう、私が知らないところでめちゃくちゃ進展してない?」

「そうかな」

「そうだよ!」

 友達は呆れたように笑った。

「前に会ったときは『一緒に住んでる』って聞いて、まあ仲良いんだなって思ってたけど」

「うん」

「お揃いのマグカップ買って」

「うん」

「休日に二人で出かけて」

「うん」

「今度は手を繋いでる」

「……」

「それで付き合ってないって、どういうこと?」

 私は困って脹相を見る。

 脹相も私を見る。

 目が合う。

 そして、ほんの少しだけ視線を逸らした。

「……まだ、そういう関係ではない」

 脹相が答える。

「まだ?」

 友達が食いつく。

「今『まだ』って言った?」

「……」

「つまり、これから付き合う可能性はあるってこと?」

 脹相は黙る。

 私は思わず脹相を見る。

「脹相?」

「……」

「どうなの?」

 脹相はしばらく黙ったあと。

「……可能性はある」

「えっ」

 私の顔が熱くなる。

 友達は口を開けたまま固まっていた。
「……」

「……」

「……ちょっと待って」

 友達が頭を抱える。

「それ、もうほぼ告白じゃん!」

「そうなの?」

 私が聞く。

「そうだよ!」

 友達は深くため息をついた。

「もう私、二人が付き合ってないって信じられない」

「でも、付き合ってないよ」

「今はね!」

 その言葉に、脹相が少しだけ目を伏せた。

「……今は」

 小さく呟く。

 私はその言葉を聞いて、また胸が熱くなる。

「じゃあ、またね」

 友達が呆れながら手を振る。

「二人とも……早くちゃんとしなよ」

「何を?」

「それは自分たちで考えて!」

 そう言って、友達は去っていった。

 
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