第11章 脹相〜出かけていたら友達とばったり〜
休日の午後。
「ねえ、脹相」
「何だ」
「このあと時間ある?」
「ああ」
「じゃあ、ちょっと出かけない?」
「……分かった」
特に目的があるわけではなかった。
ただ、一緒に外へ出たかった。
近くの店を見て、気になったものがあれば買って、疲れたらカフェにでも入る。
そんな何気ない休日。
それだけのつもりだった。
けれど。
家を出てしばらく歩いたところで、人通りが増えてきた。
「今日、混んでるね」
「ああ」
「はぐれそう」
私がそう言った直後。
脹相の手が伸びてきた。
私の手を取る。
「……」
「脹相?」
「人が多い」
「うん」
「離れると面倒だ」
「そっか」
私はそのまま手を握り返した。
それがあまりにも自然だったから。
二人とも、特に何も思わなかった。
付き合っているわけではない。
でも、一緒に暮らしていて。
手を繋ぐことも、最近では珍しくなくなっていた。
「ねえ、あのお店寄っていい?」
「ああ」
手を繋いだまま歩く。
私が店のショーウィンドウを見る。
脹相も隣で足を止める。
「これ可愛い」
「買うのか?」
「どうしようかな」
「欲しいなら買えばいい」
「うーん……」
そんな会話をしながら歩いていた、そのとき。