第9章 脹相〜お留守番はできないから迎えに行く〜
〇〇が帰ってくる可能性も考えた。
それでも、家で待っているより、自分から迎えに行った方が安心できる。
外はもう暗くなり始めていた。
駅へ向かう道を歩きながら、脹相は何度もスマートフォンを見る。
連絡はない。
「……」
駅前まで来たところで、人の流れが目に入った。
その中に、見覚えのある姿があった。
友達と話しながら歩いている。
その姿を見つけた瞬間。
脹相の胸に張り付いていた不安が、一気にほどけた。
「……いた」
思わず呟く。
〇〇はまだ脹相に気づいていない。
友達と楽しそうに話している。
それを見て、脹相は少しだけ安心した。
――無事だった。
それだけで十分だった。