第8章 脹相〜関係を壊したくない
「お邪魔しまーす!」
玄関から聞こえてきた声に、私はキッチンから顔を出した。
「悠仁、おはよう」
「おはよ!」
「脹相ならリビングにいるよ」
「ありがと」
悠仁は靴を脱ぐと、慣れた様子でリビングへ向かっていく。
「脹相、おはよ」
「ああ」
ソファに座っていた脹相が顔を上げる。
悠仁はその隣に腰を下ろした。
「最近どう?」
「何がだ」
「何がって……」
悠仁は少しだけ脹相を見る。
それからキッチンにいる私を見る。
「……二人のこと」
「?」
私は何のことか分からず、首を傾げる。
「何かあった?」
「いや、なんでもない!」
悠仁は慌てて笑った。
「ちょっと脹相に聞きたいことがあるだけ」
「そう?」
「ああ」
私は特に気にせず、飲み物を用意するためキッチンへ戻った。
その瞬間。
悠仁の表情が変わった。