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呪術廻戦〜脹相〜

第7章 脹相〜着替え中の脹相〜


その様子を、脹相はじっと見つめていた。

 そして。

 胸の奥が、妙に騒いだ。

 ――赤い。

 頬も、耳も。

 真っ赤になっている。

 自分を見たから。

 そう考えた瞬間、脹相の心臓が大きく跳ねた。

 ――俺を、男として意識したのか。

 その考えが浮かんでしまった。

 もちろん、ただ恥ずかしいだけかもしれない。

 突然着替え中の人間を見てしまったのだから、誰だってそうなる。

 分かっている。

 それでも。

 もし。

 もし、自分だからあんな顔をしているのだとしたら。

「……」

 脹相は無意識に目を逸らした。

 自分まで顔が熱くなってくる。

「脹相?」

「何だ」

「……怒ってない?」

「怒っていない」

「よかった」

 あなたが顔を上げる。

 まだ少し赤い。

 脹相はまた目を奪われた。

 いつものあなたとは違う。

 恥ずかしそうに目を逸らして、頬を赤くして。

 その姿が、ひどく可愛く見えた。

「……」

「脹相?」

「……何でもない」

「またそれ?」

「ああ」

 けれど今回は、本当に何でもなくはなかった。

 脹相の頭の中は、あなたの赤い顔でいっぱいだった。

 朝食のためにリビングへ戻ってからもそうだった。

「はい、朝ごはん」

「ああ」

「……」

「……」

 二人とも、どこかぎこちない。

 私は黙々と食事をしている。

 脹相はそんな私をちらちらと見ていた。

 そして、また目が合う。

 私は慌てて目を逸らす。

「……」

 その反応に、脹相の胸がまた騒ぐ。

 ――やはり、意識している?

「……脹相?」

「何だ」

「さっきから、なんか変じゃない?」

「変ではない」

「でも、ずっとこっち見てない?」

「……」

 図星だった。

「見ていた」

「なんで?」

 脹相は答えに困った。

 本当のことを言えるわけがない。

 ――お前が赤い顔をしているから。

 ――俺を意識しているように見えるから。

 ――それが嬉しくて、気になって仕方がないから。

 そんなことを言えるはずがない。
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