第7章 脹相〜着替え中の脹相〜
朝食の準備をしていた私は、なかなか起きてこない脹相を起こしに行くことにした。
「脹相ー?」
返事はない。
「寝てるのかな……」
そう思って、私は何も考えずに部屋のドアを開けた。
「脹相、朝ごは――」
言葉が止まった。
「……」
「……」
脹相も動かなかった。
着替えの途中だった。
そして私は、数秒遅れて状況を理解する。
「……っ!」
顔が一気に熱くなった。
「ご、ごめん!」
慌ててドアを閉める。
「……!」
廊下に出た私は、そのままドアに背中を預けた。
心臓がうるさい。
顔が熱い。
「やばい……」
見てしまった。
完全に。
しかも、ほんの一瞬とはいえ。
私は両手で顔を覆った。
すると、ドアの向こうから声がした。
「……おい」
「な、何?」
「大丈夫か」
「大丈夫じゃない……!」
思わず正直に答える。
「ごめん。本当にごめん!」
「謝らなくていい」
「でも……」
「俺も鍵をかけていなかった」
「それはそうだけど……」
声を聞くだけで、さっきの光景を思い出してしまう。
余計に顔が熱くなる。
「……もう着替えた?」
「ああ」
「じゃあ……入っていい?」
「いい」
私は恐る恐るドアを開けた。
「……」
脹相はもう服を着ていた。
いつも通りの姿。
なのに、さっきまでの光景を知ってしまったせいで、まともに顔を見られない。
「……」
私が俯いたままでいると、脹相がこちらを見る。
「顔が赤い」
「……!」
「大丈夫か」
「大丈夫!」
反射的に答える。
「ほんとに?」
「ほんと!」
私はさらに顔を逸らした。