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呪術廻戦〜脹相〜

第4章 脹相〜マグカップ〜


最初に向かったのは雑貨店だった。

「洗剤とか買わなきゃ」

「ああ」

 必要なものをカゴに入れていく。

 すると、食器の並んだ棚が目に入った。

「あ」

 私は足を止めた。

「マグカップかわいい」

 棚には、色違いのマグカップが並んでいた。

 片方は淡い色。

 もう片方は落ち着いた濃い色。

 同じ形で、色だけが違う。

「……」

 脹相も立ち止まる。

「これ、いいね」

「ああ」

 私は二つを手に取った。

「こっちが私で、こっちが脹相かな」

「……俺も?」

「うん」

「二つとも買うのか」

「そう。せっかくだし」

 脹相はマグカップをじっと見つめる。

「……お揃いだな」

「うん。お揃い」

 その言葉に、脹相の指がほんの少し止まった。

 お揃い。

 たったそれだけの言葉なのに。

 胸の奥が、じわりと温かくなる。

「嫌?」

「……いや」

 むしろ嬉しい。

 だが、そんなことは言えない。

「じゃあ買おう」

「ああ」

 会計を済ませる。

 袋の中には、二つのマグカップが並んで入った。

 それを見ながら、私は何となく嬉しくなった。

「これから毎朝、これ使おうよ」

「……毎朝?」

「うん」

「二人で?」

「そう」

 脹相は少し黙った。

「……分かった」

 その声は、いつもよりほんの少しだけ柔らかかった。

 次に服を見に行く。

「これどう?」

「似合う」

「こっちは?」

「それも似合う」

「脹相って、全部似合うって言うよね」

「本当にそう思っている」

「じゃあ一番好きなのは?」

 脹相は私が手に持っていた服を見つめた。

「……それだ」

「じゃあこれ買おうかな」

「ああ」

 
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