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呪術廻戦〜脹相〜

第34章 俺たちの子ども


「ただいま」

玄関の扉が閉まる。

あなたが靴を脱いでいる横で、脹相も黙って靴を揃えた。

「疲れたね」

「ああ」

「お茶淹れるね」

「……俺がやる」

「え?」

「今日はお前が歩き回っただろう」

「そんなに疲れてないよ」

「いいから」

そう言って脹相はキッチンへ向かう。

あなたはその背中を眺めながら、小さく笑った。

「ありがとう」

「……ああ」

いつも通り。

家に帰れば、いつも通りの二人。

けれど。

脹相の頭の中だけは、いつも通りではなかった。

昼間の出来事が、何度も何度も蘇っている。

『ママ!』

あの小さな男の子の声。

あなたに抱きついていた姿。

あなたが優しく頭を撫でていた姿。

そして――

『似合っていた』

自分がそう言ったこと。

「……」

お茶を淹れていた手が止まる。

「……何を考えているんだ、俺は」

小さく呟く。

馬鹿らしい。

ただ迷子の子供に母親と間違えられただけだ。

それなのに。

「……俺たちの……」

口にしかけて、慌てて止める。

顔が熱くなる。

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