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呪術廻戦〜脹相〜

第29章 脹相〜温泉旅行〜



 夜。

 布団に入る。

「おやすみ」

「ああ」

 電気を消す。

 暗闇になる。

「……」

 静かだ。

 聞こえるのは、互いの呼吸だけ。

 私は少し寝返りを打つ。

 すると。

「……っ」

 布団の端が、脹相の手に触れた。

「ごめん」

「いや」

 脹相はすぐに手を引く。

 けれど。

 その直後。

「……脹相」

「ああ」

「まだ起きてる?」

「ああ」

「眠れない」

「俺もだ」

「やっぱり?」

「ああ」

 私は小さく笑う。

「旅行って、なんか寝付けないよね」

「そうだな」

 しばらく沈黙。

「……ねえ」

「ああ」

「そっちに行ってもいい?」

「……」

 脹相の心臓が跳ねた。

「どうした?」

「いや……」

 〇〇は少し困ったように言う。

「なんか、ちょっと寒くて」

「……そうか」

「駄目?」

「いや」

 脹相は布団を少し持ち上げる。

「来ればいい」

「ありがとう」

 私は少しだけ距離を詰める。

 すると。

 肩が触れた。

「……」

 脹相が固まる。

「暖かいね」

「ああ」

「脹相、体温高い」

「……そうか?」

「うん」

 私は安心したように目を閉じる。

 そのまま。

 少しずつ身体の力を抜く。

「……」

 脹相は動けない。

 あなたが近い。

 近すぎる。

 けれど。

 寒いと言っているのだから、離れるわけにもいかない。
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