第4章 責務
「どんな様子?」
「あっ五条さん!まだまだです。出産時間は個人差が大きいみたいです。今、乳母さんが付き添っています。僕はここで待たせていただきます。」
じゃ、僕も…
病院の待合室でデカい男ふたりが並んで座る
なんと滑稽な……
それから13時間後
「おぎゃ〜おぎゃ〜おぎゃ〜」
赤ちゃんの声が響いた
それから1時間くらいして病室に案内される
部屋に入ると赤ちゃんを抱いた☆☆☆がベッドに座っている
「悟さん、元気な男の子です」
全然実感がない
あるワケない
俺が関わったのは“種”だけ
☆☆☆や彼のような感動や満ち足りた感は湧いてこない、それでも……
「悟さん、抱っこしてあげてください」
実感のないまま子どもを受け取る
なんて小さい…なんて軽い…
指なんてこんなに小さいのちゃんと動いてる
小さい身体をよじって頭を擦り寄せてくる
「………」
「悟さん?」
「ちょっと感動しちゃって…☆☆☆お疲れさま、ありがとう」
「はい。わたくしもたくさん体験、経験させていただきました。ありがとうございます。これからも愛情込めて育みます」
すっかり母親の顔
彼にも抱かせてあげたい
ずっと☆☆☆のそばにでくれたのは彼だから
「抱いてあげて」
驚きつつ慎重に抱く
うわぁ涙が溢れて……
俺より感動してる
そりゃそうだよね
たくさんの愛に触れて包まれて育まれて大きくなれ
願いを込めて額に触れたい
翌日学校で
産まれた?
男の子?女の子?
お前が父親になるなんて…泣
写真見せて
おめでとう
さまざま言われるがどれもピンとこない
自分のことなのにね
それからひと月後☆☆☆は東京を引き払って五条家に入る。乳母、件の彼も☆☆☆専用の運転手兼雑務担当として入る
「身体、しっかりしてきたね。ひと月でこんなに大きくなるんだぁ」
「はい、たくさんミルクを飲んでくれて」
「なにかあったら連絡して、すぐに対処するからね」
「はい、ありがとうございます」
「☆☆☆の負担になることは一切なしだよ。☆☆☆、子ども最優先、頼んだよ。」
ちょっとだけ鋭さをのせて家の者たちに伝えた
これから月一で実家に帰る