第4章 責務
「そうか…それにしても君たちはお互いを想い合ってるのが言葉の端々から感じられるよ。僕としては君たちふたりに幸せになってもらいたい。それを祈るよ」
「僕もそう思ってます」
礼を伝えて店を出る
提案したことが可能であることはわかった
希望が見えてきた
2月上旬☆☆☆から連絡が来る
「悟さん、ご提案お受けしたいと思います。人工授精は可能なのでしょうか?」
「うん、そっちの心配はないよ。病院の当てもついてるからね。今、京都にいるの?」
「はい、実家におります」
「わかった、病院に連絡して予約を取るよ。一度診察してもらってそれから話を進めよう」
「わかりました」
「すぐに取り掛かってもいいかな?」
「はい、大丈夫です。予定は空けておきますのでおまかせします」
先生に連絡をし引き合わせてもらう
家系のこと、そこに産まれてくる子どもたちの重要性、自分たちの事情を真剣に聞いてくれる
「事情はわかりました。自費での対応でしたら可能です。問題ありません、わたしで良ければお受けしますよ。一度妊娠可能か診察させていただきたい。病院で予約を取ってください。その時貴方も一緒に来院していただきたい。貴方の状態も診察する必要があるのでね」
柔らかく落ち着いた雰囲気の先生だ
「なかなか大変なご事情ですねぇ。知らず知らず、貴方のような方々が私たちの生活を正に影から支えてくださっていたんですねぇ。感服いたします。せめて我々は平穏な心持ちで生きていこなっ」ドンっ肩を叩かれて先生がビグッとする
「僕はいつも平穏だよ、変な言いがかりはつけないでくれ」
それがもう平穏じゃないんだよって笑う
これからふたりで呑んでいくと言って別れた
1週間後予約が取れた
☆☆☆に連絡して東京に来てもらう
東京駅まで迎えに行くと背の高い男性が一緒に来ていた
「☆☆☆、お疲れさま。こちらは?」
件の彼とのこと
「□□と申します。今回のご提案、感服いたしました☆☆☆様へのご配慮ありがとうございます」
☆☆☆のためだけじゃない…共通利益のための提案
女性側の不利益は大きいと思うが…
☆☆☆との未来を描くことができなかった彼にとっては希望のような提案だったのかもしれないね