第2章 【零不兎】お題 熱
恋人のあすかやった。視界を埋め尽くす真っ白な天井は、三日月堂のもんではなかった。
「熱中症で病院に運ばれたんどす。あすかはんに連絡したら、お見舞いに来てくれはったんやで。」
姉はあすかの隣で、穏やかに言うた。
「心配かけてすまん……。早う仕事に戻らな……。」
「あきまへん。今日は安静にしとき。」
俺の発言を、姉がぴしゃりとたしなめた。
「来兎さんの言う通りだよ。ただでさえ暑いのに、鍛冶場に行ったら危ない。」
あすかは優しく俺の手を包み込んだ。
鎌打ちに夢中で全く気にならんかったが、そういや世間は猛暑日じゃ酷暑日じゃと騒いでおった。三日月堂にも冷房はついてはるが、鍛冶場の熱気には勝てるわけがなかった。
結局、俺はその日だけ病院にいさせてもろた。明日以降の営業について話し合うからと、2人は早めに帰った。
次の日、三日月堂に戻った俺は驚愕した。なんと、