第18章 指輪
「詳しいことは分かりませんが……琥珀は他の宝石とは異なり樹木の分泌物から出来ているらしいので、鉱物とは勝手が違うのかもしれませんね」
「へぇ……樹液からですかね?」
ねっとりとした蜂蜜のような色と輝きの石を見つめながら、サプフィールは指輪を口元へ持っていく。
「サプフィール」
そっと口と指輪の隙間にスヴェトザールの手が割り込んできた。差し込まれた手の甲に薄く口紅がつく。
「食べてはいけません」
「な、舐めてみようと思っただけです……」
「同じことです」
少しムッとした顔で言うサプフィールを宥めるように見ながら、スヴェトザールは小さく溜め息をついた。