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愛しのサプフィール

第18章 指輪


一息つきながらスヴェトザールがそう返す。
サプフィールの選んだ琥珀を見て、少し照れた様子で座り直した。
「……妻の指輪の他に、私の分も仕立ててください。石は先ほどのサファイアの中から選びます」
「ありがとうございます。では旦那様の指も採寸致しますね」
追加注文にニコニコしながら宝石商が採寸用の輪をまた取り出し、スヴェトザールの傍へ跪く。
「意匠も同じもので」
「かしこまりました。対の宝飾品として意匠を施します」
ご機嫌な宝石商と相談を重ね、それから数週間後。屋敷に完成品が届けられた。
「申し訳ないです……注文が2人分になってしまった影響で誕生日を過ぎてしまいました」
「かまいません。早速つけてみましょう」
2つのリングケースを手に部屋を訪ねたスヴェトザールに、サプフィールがそう返す。
ケースの中には注文通りの指輪が収められていた。金の指輪の台座には、それぞれが選んだ石が嵌め込んである。
「サイズも問題ないですね。サプフィールも大丈夫そうですか?」
「ええ。とても良いです」
着け心地を確認したスヴェトザールにそう答えながら、サプフィールが窓から差し込む光に宝石を翳す。
気泡を含んだ蜂蜜色の琥珀の丸い表面が、陽光を受けて照り照りと輝く。
「……綺麗」
言いながら琥珀を見つめていると、視界の端に白いきらめきが室内に散るのが見えた。
振り返ると、スヴェトザールが左手を隠す。
「すみません。眩しかったですか」
「いえいえ。今の、サファイアの反射ですか?」
「そうみたいです」
スヴェトザールがまた指輪の石を光に照らす。微細な動きに合わせてカット面がキラキラと反射し、また室内に小さな白い光を無数に散らした。
「そっちも綺麗ですね。琥珀は丸く磨かれているから、そうはならないみたいです……」
サプフィールは手を光に当ててクルクルと動かして、琥珀と金ばかりが光るのを見せる。
「そういえば……宝石商の見せてくれた琥珀はどれも曲線的なものばかりでした。他の宝石はカクカクしているのに、どうして琥珀だけ丸っこいのしかないんでしょうね?」
首を傾げながらサプフィールが言う。
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