第1章 【黒洲】本物の私
虹色の空が暗くなり始めた頃。私は黒猫公民館の壁にもたれかかり、天を仰いでおりました。本日は午前のみの勤務でしたが、いつも以上にどっと疲れに襲われておりました。
ここからは愚痴になりますのでご了承ください。
午前中は翔真坊ちゃまと非常ににぎやかな時間を過ごし、午後からは黒猫族の集会で司会をしておりました。
しかし、黒猫族は非常にのんきな種族。私にマイクを渡せば後はなんとかなると思っているのです。途中で飽きたのであろう会場設営。来場者数すら把握していない管理体制。たった6行の進行メモ。私が実態を把握したのが12時30分で、一般の来場開始時刻が13時でしたからさあ大変。一般黒猫も、開会時刻5分前にのんびり歩いてくる方ばかりでしたけど。
なんとかして有意義な会にいたしましたが、片付けの時間に残っていたのはまさかの私一人。準備で味わった最高の絶望をこんなに容易く塗り替えられるとは。人生は面白いですね。
幻術を駆使すれば一人でも可能なのです。実際、あと少しで終わるのです。ただ、なぜ私だけがこんなに頑張らないといけないのですか?なぜ私だけが、ずっと嘘をつかなければいけないのですか?
濁流のごとき負の感情に飲み込まれそうになった、その時でした。