第3章 因縁の残響
「その殺傷能力が低そうな刀で、俺を殺るつもりか?斗亜…今の俺を、舐めるなよ。あの頃とは違うんだ」
尖角が地を蹴った。
畳が激しく裂ける。
巨体とは思えぬ速度で突進してくる。
剣心と斎藤は同時に間合いを外す。
斗亜だけが残る。
ドゴッ!!!
尖角の握り懐剣が振り下ろされる。
「あらら…思ったより呆気ないないですね~。志々雄さんと同じ抜刀斎の後継者の割には、拍子抜けだなぁ~」
「こんなんで俺が負けるとでも?」
斗亜が立ちあがる。
刀を盾のように構えたまま言う。
「悪いけど、お前の相手してる暇ないんだ。さっさと負けてくれないか」
バキィンッ!!
尖角の握り懐剣が粉々に砕け散った。
「俺に負けろだと!?九十九人を刻み殺してきたこの尖角!!百人目の獲物は、お前だ!!」
怒号と共に連撃を繰り出す。
「九十九人で威張るな」
斗亜の姿が消えた。
次の瞬間、尖角の背後に回っていた。
「おいおい…人斬りだったんだろう?俺の背後取るくらいしか能がねぇのか?」
「ついでに言えば…こっちの脳は足りてねぇけどな」
斎藤はこめかみを、とんとんと指で叩く。
「黙ってろ!!斎藤!!」
斗亜が怒鳴る。
「速さは互角…だがな!!]
尖角が踏み込み、背後を取る。
「俺には押し潰す“力”がある!!」
懐剣が頭上から振り下ろされる。
「うるせぇ…」
斗亜が床を踏み込む。
「飛天御剣流――龍翔閃!!!」
もう一つの懐剣も見事に砕け散った。
「ムキになりやがって…さすがだな。お前の弟だ」
「どういう意味でござるか…」
目を細めて剣心が斎藤を見る。
「こんなもんか?これでもまだ九十九人で威張るのか?」
「ち、違う!!冗談だ!!」
尖角の声が思わず裏返る。
「九十九人なんて、ただの言葉のあやだ!!」
「だが…栄次の家族を殺したのは、お前なんだろう?」
斗亜は尖角に刀を向けながら言う。
「尖角…」
志々雄が低く呼ぶ。
「最初から期待してねぇ。技が見たかっただけだ」
志々雄の目が細くなる。