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緋色の誓い

第7章 新たな道標



先ほどよりもさらに腰を低く落とし、鋭い眼差しで剣心を見据えた。

負けた悔しさを、そのまま闘志へ変えるように。

剣心はそんな弟を見つめ、小さく口元を緩める。

「良いでござるよ」

その一言とともに、再び二人の間へ静かな緊張が張り詰めていく。

朝の道場は、再び息を潜めた。

斗亜は大きく息を吐き、乱れた呼吸を整える。

額を流れる汗を袖で乱暴に拭うと、再び剣心を真っ直ぐ見据えた。

その瞳に宿る闘志は、少しも衰えていない。

「行くぞ…兄貴」

低く呟いた、次の瞬間…。

ダッ!!

床板を蹴る音が道場に響く。

二度目の踏み込みは、先ほどよりも鋭かった。

低く沈んだ姿勢から、一気に間合いを潰す。

床を滑るように距離を詰め、竹刀が一直線に剣心の胴へ走る。

「もらっ…!」

その声を遮るように…。

バシッ!!

乾いた音が鋭く鳴り響いた。

斗亜の竹刀は剣心の竹刀に巻き上げられ、軌道を逸らされる。

「っ!?」

体勢が崩れる。

慌てて踏みとどまり、体を立て直そうとした。

トン。

「…!?」

斗亜の動きが止まる。

弥彦も思わず息を呑んだ。

「一本、でござる」

剣心の穏やかな声だけが、静かに響く。

「まだだ!!」

斗亜は悔しさを押し殺すこともなく叫び、そのまま踏み込んだ。

今度は一撃では終わらせない。

上段。

下段。

胴。

手元。

鋭い連撃が間髪入れずに襲いかかる。

バシッ!

バシッ!

バシッ!!

竹刀が次々と打ち合わされる。

しかし、その全てを剣心は最小限の動きで受け流していく。

力ではない。

流れを変えるだけ。

斗亜の勢いが強いほど、その力は自然と空へ逃がされる。

「くっ…!」

焦りが生まれる。

一撃でも当てようと力が入る。

その瞬間、踏み込みがわずかに大きくなった。

足が流れる。

重心が前へ崩れる。

「しまっ…」

バシッ!!

鋭い音が背中へ響いた。
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