第6章 因縁の終焉
皆、傷が癒えはじめてからというもの、白べこの一階で毎日のようにどんちゃん騒ぎをしていた。
生きて帰れたこと。
誰も欠けずにこの場にいること。
それを確かめ合うように、騒がずにはいられなかったのだ。
「ねー!!蒼紫様いったいどこー!?」
涙目になった操が、部屋中に響く声で叫ぶ。
「蒼紫なら、いつもの禅寺じゃよ」
翁があっさり答える。
「えー!?またぁ!?傷が治ってからずーっと通ってるじゃない!!」
「帰ってきたとはいえ、まだ想うところがあるのじゃろう。しばらくはそっとしておいてやれ」
「それが蒼紫のためでござるよ」
剣心は冴に淹れてもらった茶を一口含み、静かにそう言って操をなだめる。
操は唇を尖らせながらも、それ以上は何も言えずに黙り込んだ。
「ッ!!」
不意に、斗亜は気配を感じて飛び起きた。
枕元にあった刀を手にして階段を下りる。
心臓が一拍遅れて大きく鳴る。
慌てて階段を下りると、そこには見慣れた顔があった。
「あ…おはようございます。もう起きて大丈夫なんです?」
「あぁ、もう大丈夫…なんだ張か…ってお前なんでここに居るんだよ!!?」
斗亜の声に、近くにいた薫が事情を説明する。
「はぁ!?お前が警官!!?」
「正確には密偵やけどな」
張はのん気に定食をかき込みながら言う。
箸の動きは止まらない。
「裏取り引きか?」
「政府からそうすりゃ恩赦してやる言われてな。志々雄様が亡くなった今、つっ張ったって仕方あらへんやろ。せやけど密偵はあくまで次までのつなぎや。もっとおもろい事見つけたら即トンズラや」
張はそう言って、口の端をつり上げて笑う。
「それで一体何の用だホウキ頭」
「相変わらずごっつむかつくわこのトリ頭。捕まった他の十本刀六人の処置が決まったから。教えたろ思ってわざわざ来てやったんや」
その言葉に、その場にいた者たちは一斉に息を飲んだ。
場の空気が、わずかに引き締まる。
「…で、如何様に…」
剣心が静かに問いかける。