第6章 因縁の終焉
「この勝負…生き残ったほうが勝ちだ」
方治の叫びに、斎藤は続ける。
「強ければ生き、弱ければ死ぬ!奴自身が言っていた言葉だ!過去から現在へと続く時間の流れが…志々雄真実に勝利を許さず、抜刀斎に味方をした時代が…生きるべき者を選んだんだ…」
剣心は、足元に落ちていた懐中時計を拾い上げる。
それは、由美が最後まで握りしめていたものだった。
静かに、それを強く握り締める。
「負けていない!!負けるはずがない!!志々雄様が負けるはずない!!!!」
方治は膝をつき、泣き叫びながら走り出した。
方治が当たり、剣心の体がその場に崩れ落ちた。
「…剣心!!」
ゴオン!!
黒光りする巨大な扉が、重い音を立てて閉じられた。
闘場は完全に封じられ、戦いは終わりを告げた。
それぞれの想いと命を置き去りにして。
ドガッ。
左之助が渾身の力で扉を殴りつける。
だが、鉄のように分厚いその扉は微動だにしない。
「どけ」
低く言い放ち、斎藤が一歩前に出る。
牙突の構えを取り、鋭い眼光で扉を見据える。
「お前の傷だって浅くは…」
ドンッ!!
左之助が言い終わるより早く、斎藤の牙突が炸裂した。
爆音と共に扉は歪み、次の瞬間、粉砕される。
「……」
左之助は言葉を失いながら、剣心を担ぎ直す。
壊された扉を抜けようとした、その瞬間。
ドォン!!
背後で凄まじい爆発音が轟いた。
先ほどまでいた闘場が、業火と衝撃波に飲み込まれていく。
通路の中央が崩れ落ち、行く手を完全に断ち切った。
その向こう側に、斎藤の姿だけが残る。
「斎藤!!」
左之助が叫ぶ。
「やれやれ…」
斎藤は懐から煙草を取り出し、口に咥える。
火もつけぬまま、ニッと不敵に笑った。
「てめぇ…また勝ち逃げかよ!!俺との勝負はどーすんだ!答えろ斎藤!!」
「お前等とは…くぐった修羅場の数が違うんだよ、阿呆が…」
斎藤はそう吐き捨てると、爆発と炎の中へと歩き出していく。