第6章 因縁の終焉
「な…」
方治と由美は、その光景に言葉を失う。
だがすぐに、方治は気付いた。
剣心の瞳に、まだ焦点が合っていないことを。
「だ、大丈夫です志々雄様!!緋村抜刀斎はまだ意識を取り戻していません!!今です!!今、止めの一撃を!!その一撃でこの国は我々の手中に―!!」
方治が指差した、その瞬間。
剣心の瞳が、カッと見開かれる。
「…ッ」
方治の全身が、氷水を浴びたかのように震え上がる。
「闘うべき時は今…この場に集った者たちの誰一人、まだ運命は尽きてはいない!!」
剣心の声は低く、だが確かに響いた。
左之助と斎藤の目が、同時に鋭く光る。
「最終戦…第二局目…開始か…」
闘場を抜ける熱風が、渦を巻く。
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ――――。
焔と意志が再びぶつかり合う。
第二の最終決戦の幕が、今、切って落とされた。
風が闘場へと一気に流れ込む。
灼熱の空気を切り裂くように、渦を巻いて吹き抜けた風が地を這い、壁を叩き、天井の煤を巻き上げる。
「お…おおおおおおお!!!!」
剣心の叫びが闘場を震わせる。
その瞬間、舞っていた木の葉が一斉に弾け、鋭い音を立てて四散した。
剣気が、空気そのものを切り裂いたのだ。
「…ッ」
斎藤が目を見開く。
続いて左之助も息を詰めたまま、意識を取り戻す。
「今の…剣心の…」
二人が言葉を失う中、剣心は地を踏みしめる。
手に込めた力が全身へと巡り、迷いなく志々雄へと向かって走り出す。
「心地いい剣気だ…」
蒼紫は愉しげに口角を吊り上げる。
「そうだ。全力の俺の相手をするからには、限界の一つや二つ…せめて超えてもらわねぇとな。さあ、この俺の灼熱と化した血肉の全てを…もっと熱く、もっと愉しませてみろ!!」
ガッ。
剣心の一撃を、志々雄は正面から受け止める。
火花が散り、衝撃が闘場全体に響き渡る。
次の瞬間、志々雄は剣心の首元を掴み、その体を持ち上げた。