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緋色の誓い

第6章 因縁の終焉


「そして、一番の強者が頂点に立つ」

志々雄は、自らの胸を叩く。

「この俺より弱ぇ明治政府の連中に、この国の覇権を握る資格はねぇんだよ」

斗亜は歯を噛み締める。

「俺の国盗りは、この国の摂理そのものだ」

志々雄は続ける。

「強ければ生き、弱ければ死ぬ」

鋭い視線が、斗亜に突き刺さる。

「お前だって幕末の血風をくぐり抜けてきた人斬りだ」

志々雄は嗤う。

「この摂理に逆らったところで、無駄な徒労に終わることくらい…理解できるだろう?」

「で…」

斗亜が、かすれた声を上げる。

「出来ぬ」

その言葉は、はっきりとした声だった。

「兄貴…?」

斗亜は横たわったまま、剣心を見る。

剣心は、斗亜の前に立ち、逆刃刀を抜いた。

「お前が糧と呼ぶ人達は、あの動乱の時代を耐え抜き…やっと平和の世を手に入れて生きている人達だ」

一歩、また一歩と前に進む。

「誰かのために犠牲になって当然の命など…今の世にあっては、あってはならぬ」

剣心の声が、怒りを帯びる。

「お前が再び動乱を繰り返そうとするなら…」

逆刃刀が、低く唸る。

「どんな理由であろうと、それを放っておくなど…拙者には出来ぬ」

「“理由”じゃねぇ」

志々雄が吐き捨てる。

「“摂理”だって言ってんだろ」

「摂理だろうと…拙者には出来ぬ!!」

剣心は、声を張り上げた。

「頭では理解できても、感情で納得できねぇようだな」

志々雄は嗤う。

「どこまでも不殺を貫く頑固さ…あんたらしいぜ」

ザザザザッ。

志々雄は地面に無限刃を走らせる。

ボッ。

焔が、再び立ち上がる。

「そんな頭の悪さじゃ…人斬り抜刀斎の雷名も、今に地に堕ちる」

志々雄は、楽しそうに続ける。

「みっともなく生き恥さらすより…ここらで華々しく散った方がいいと思うぜ」

焔を纏った刃が、剣心を指す。
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