第6章 因縁の終焉
「お前は弱くなった」
志々雄は冷たく言い放つ。
「あの頃みてぇには、もう戻れねぇよ」
焔を纏った刃を構え、半歩踏み出す。
「逆に言やあ、俺に殺されるだけだ」
「志々雄…」
斗亜は荒い息を吐きながら、志々雄を睨みつける。
「お前を斃さないと…平和な世は来ねぇんだよ…」
血を吐きながら、なお言葉を絞り出す。
「だから俺は…今一度、人斬りに戻ってでも…お前を殺すッ」
ダッ。
斗亜は再び走り出した。
だが、その動きは明らかに鈍っている。
「斗亜!!」
剣心の叫びが飛ぶ。
「弱くなったって…言っただろう」
志々雄は、まるで確認するかのように呟いた。
次の瞬間無限刃が一直線に閃き、斗亜の脇腹を貫いた。
ズブッ。
「ぐっ…!?」
そのまま志々雄の蹴りが叩き込まれる。
ドガッ。
斗亜の体は宙を舞い、剣心たちの方へと吹き飛ばされる。
「斗亜!!大丈夫か!?」
「だ…大丈夫…だ…っ」
ゴフッ。
斗亜は必死に笑おうとするが、言葉の途中で大量の血を吐き出す。
「お…俺が…俺がやらなきゃ…いけないんだよ…」
傷口を押さえるが、血は止まらない。
体温が、急速に奪われていくのが分かる。
「“所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ”」
志々雄が、淡々と口にする。
その言葉に、剣心の瞳が鋭く揺れた。
「その言葉…」
剣心は、志々雄を睨み据える。
「俺が宗次郎に刷り込んだ言葉だ」
志々雄は、誇らしげに続ける。
「だがな、こいつは剣術だけの話じゃねぇ」
焔が、さらに激しく燃え上がる。
「一言で言やあ…自然の摂理だ」
「自然の…摂理だと…」
斗亜は眉間に深い皺を刻む。
「弱者は強者の糧として生きる責務がある」
志々雄の声が、闘場に響く。
「糧にすらならねぇクズは、存在そのものに価値がねぇ」
拳を強く握り締める。