• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

緋色の誓い

第6章 因縁の終焉


守るための重さが、手にある。

志々雄の気配が膨れ上がる。

殺気がぶつかる。

だが斗亜の足は揺れない。

過去を見た。

自分が何だったかを認めた。

その上で、立っている。

「来いよ、志々雄」

低く言う。

「お前を斃すのは…」

一歩、踏み込む。

石畳が軋む。

「今の俺だ!!」

炎の中で、二人の間合いが消えた。

最終戦開始!!

二人は一斉に地を蹴った。

距離が潰れ、刹那のうちに剣が交わる。

ガッ。

ガッ。

鋼と鋼が噛み合った、その瞬間だった。

志々雄の刀身から、まるで息を吹き返したかのように焔が噴き上がる。

「…ッ!」

斗亜の視界が一瞬、朱に染まった。

焔に包まれ、体を弾き飛ばされる。

ドサッ。

床に叩きつけられ、肺の空気が一気に吐き出される。

焦げた臭いが、鼻腔を刺す。

「…抜刀の鞘走りでの摩擦熱で、切っ先を燃やした…?」

志々雄の動きを見極めながら、剣心が低く呟く。

「へへ…そうだったぜ…」

斗亜は喉を鳴らしながら、ゆっくりと身を起こす。

「…お前の得意技、忘れてたぜ…」

ふらつきながらも立ち上がる斗亜の前で、志々雄は刀の切っ先を地面に走らせる。

ガリリリリリリ…。

不快な音とともに、刃が石を削る。

次の瞬間。

ボッ。

再び焔が立ち上がる。

「違う…」

剣心の声が、確信を帯びて響く。

「抜刀の摩擦熱だけで焔が生じるなら、拙者や斗亜の抜刀術でも同じことが出来るはず…。この焔、燃えているのは別の何かでござる」

「シャアアアアッ!!!」

志々雄が咆哮とともに踏み込む。

焔を纏った剣が、斗亜の喉元を狙う。

だが、志々雄は一歩手前で自ら剣を空振りさせる。
/ 284ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp