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巨体の人外に助けられて世話される話

第28章 選んだ未来


二人は馬車に乗り、魔界にある山のふもとまで行った。
そこから先は自力で上まで登らなければならない。

ここは軍に管理された安全な山で、魔物も出ず、自然の生き物が暮らしている。

けれど崖すれすれの険しい道もあるし、あなたは終始おっかなびっくりだった。

「ひゃああっ、ここ無理! ルドガーおんぶして~!」
「よし任せろ!」

素直に甘えるあなたのことを彼は背負い、ものすごいスピードで走り抜けていく。

後ろにいるだけでも怖かったが、足元を見ないようにして掴まった。

さすが人化した獣の彼は、普段の任務での動きが想像できるほど、軽やかな身のこなしだった。

「もうすぐだ、お前に見せたい景色がある!」
「……ほんとっ? ……わあ! すごい、マグマだー!」

頂上に辿りつくと、ルドガーはあなたのことを頑丈な柵の前でゆっくり下ろした。

目の前に広がる絶景に圧倒される。

黒い溶岩の真ん中に、ふつふつと湧き上がり、炎を噴いているオレンジ色の塊。

色が本当に鮮やかで、背景に広がる紫色の空とのコントラストが美しかった。

「きれーい……ふふっ、ルドガーってやっぱり男の子だねえ。ここ、見せてくれたかったんだね」
「そうだぞ。俺も最初ここを知ったとき、胸が躍って忘れられなかった。……お前は華奢で可愛らしいが、俺みたいに冒険も好きなとこがあると思ってな。だから、きっと気に入ってくれるんじゃないかと思ったんだ」

彼の素直な気持ちを聞かされると、もっと喜びがわき、隣を見上げる。

「ありがとう……すごく気に入ったよ! これからも、あなたの好きな場所たくさん知りたいな」
「もちろんだ。全部連れてってやる。それだけじゃない、二人で好きな場所もたくさん増やしていくぞ!」
「……うんっ!」

重なる未来が嬉しい。
幸せがまだまだ波のように届いてくる。

ルドガーは、あなたにとって、そんな大きな存在だった。
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