• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第28章 選んだ未来


静かになったパーティー会場で、ゼイランは中央の席につき、退屈そうに脚を組んでいる。

正面で酒を飲みながら話す鎧の男ヴィレイニを、呆れた顔で見やった。

「おかしいな。今のは俺を責める話のはずだったのに、お前がいかに悪い人間かを教えてくれただけなんだが」

ヴィレイニは銀髪の美形を睨み返した。

「てめえがすべての元凶だ。俺の人生めちゃくちゃにしやがって。早く金返せ」
「フッ。お前は自分の損害よりも、慕ってくれる者の信頼を取り戻すほうが先なんじゃないか?」
「なんだとてめえ……ッ」

相手にしない公爵に対し、屈強な魔術師は血管が切れそうになった。
だが弟子のセロは、ショックを隠し切れていない。

「し、師匠。マジであんた施設で働いてたのか? それにナザル、お前もルドガーがいた場所にいたのか?」

彼らに問うと、二人はしれっと頷いた。
セロの肩がわなわなと震える。

「なんでそういう大事なこと早く言わねえんだよ! どうして俺に隠してた!」

師は煩わしそうに「うっせえな。わざわざ弟子に格好悪い過去を教える師がいるか?」と開き直る。

ナザルも同調した。

「そうそう。かっこわりーだろ。おっさんに幻獣にして連れてってくれなんて言ったって、お前に知られたら。普通に恥ずいわ」

そっぽを向きながら告げられて、セロは理解に苦しむ。

「意味が分からねえ……今更そんな外面気にするような仲かよ! この状況のほうがよっぽど恥ずかしいわ! ……おい師匠、あんたはルドガーに謝罪しろ! 俺はあの二人の過去聞いて号泣してたんだぞ、その一因が自分の師匠の暴虐だったなんて顔向けが出来ねえよ!」
「……顔向けだぁ? お前何こいつらに取り込まれてんだよ。俺ら人間とは違うんだぞ?」

ヴィレイニは失笑し、厳しい顔つきで座るルドガーを目に入れる。

隣のあなたは、はらはらしていた。この話、どうやって着地するのかと。
/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp