第27章 護るということ
パーティーの最後は、皆で長テーブルにつき、お茶とケーキで締めることになる。
ワインを楽しんでいるゼイランは少し酔っているのか、中央席で機嫌がいい。
「本当によかったよな。もうすぐで俺達は、あのヴェルガロン家に喧嘩を売るところだったんだぞ。どう思う、ジュリス」
「ええ、危なかったですね。団長も毎日愚痴っていましたよ。どうなるんだって」
「ははは! さすがのあいつもビビったか。まあ分かるけどな⋯⋯俺だってな、書簡を受け取ったときはまさかと思い――」
上官と幹部がくだけた感じで話をしており、あなたも本当に苦労をかけたと、反省まじりに聞いている。
そんなゼイランは、近くにいた男の使用人を呼び止めた。
「おい、もう一杯注いでくれ。⋯ああ、そっちのブランデーだ」
優雅に命じると、金髪を後ろに結わえたガタイの良い制服の給仕は、言うことを聞いた。
グラスを置いたあと、彼は懐に手を差し入れる。
それを見たルドガーとジュリスは怪訝な表情を向けた。
すると給仕は、中から銀製のライターを取り出し、炎をぼっと灯らせる。
「おい、今はいい。下がれ」
うっとおしそうに払うゼイランの胸ぐらを、男は素早い動作で勢いよく引っ張った。
「貴様ッ、手を離せっ!」
ルドガーがテーブル越しに身を乗り出し、相手を掴もうとすると、鋭い飛び道具が放たれた。
2本、3本と高速で飛んでくる武器を、ルドガーはテーブルのナイフで次々と撃ち落とす。
「きゃあぁぁ!」
あなたは何が起きたのかと叫ぶ。
するとルドガーはナザルとセロを見やり、あなたをすぐに安全な場へ移動させた。
ジュリスとルドガーは剣を取り出し、相手に向かっていく。
「――無駄だよ馬鹿野郎! この公爵だけはなぁ、俺は許さねえからな!!」
豹変した男の姿が魔術で変化していく。
制服は時が止まったかのように剥がれ落ち、内側からマントをまとった鎧が現れた。
男は肩までの獅子のような金髪をなびかせ、ニヤリと笑い、剣をテーブルへ突き刺した。