第27章 護るということ
「なっ、なっ、なんだこれは! の太ももに、あなたの印があるぞ!!」
ルドガーが怒り心頭でゼイランに近づくと、主人は視線をそらして普通の顔をしている。
「何か文句あるか? 俺は女に加護を与えるときはな、ここって決めてるんだよ」
「はゼイラン様の女じゃない! 俺の番だ!! 早く違う場所に変えてくれ!」
確かに、太ももの裏側に怪しげな美しい紋章があるのは、ルドガーにとって許しがたい状況だろう。
あなたも汗が流れる中、ゼイランに言った。
「そうですね~。ちょっとこれ、おかしいでしょう。別のとこにしてください」
「あぁ? お前までそんなこと言うのか。面倒くさい奴らだな……じゃあどこがいいんだよ。そこのうるさい夫と決めたらどうだ?」
銀髪をかきながら無反省の主人に、ルドガーは苛立っていたが、あなたにすぐに向き直る。
「、どこがいい? 首や脚は反対だ」
「そうだよね。うーん。……難しいなぁ。手の甲はどうかな? ⋯ていうかゼイラン様。普段は見えないように出来ないんですか?」
「出来るぞ」
しれっと言うゼイランに、じゃあ最初からそうしろよと皆思ったわけだが、話し合った結果、手の甲で収めることにした。
ひと悶着起こりつつ、結局そこに紋章を入れてもらうと、すーっと綺麗に消えていった。
「よし、これでうまくいったね! ルドガーも気に入った?」
「ああ、これならいいな。大成功だ!」
単純な獣の彼は心の底から胸をなでおろし、あなたを抱擁したまま微笑む。
ゼイランは呆れていたが、こうして事はうまく運んだ。