第27章 護るということ
「守護者さまも、そうなんですよ。この世界で、一番最初に家族になってくれた人だと思ってますから。私に家族を作ってくれた人でもあります。⋯⋯そしてまだ時間はそんなに経ってないかもしれないけど、私達二人の絆は、もうあると思ってます。だから、これでいいんじゃないかなって」
守護者の加護は、まるで最初から持っているみたいに感じているのだ。
「ふっ……正直な。少し悔しい。だがお前の気持ちは通じている。それほど、この二人との強いつながりを作ったのだな。私にも嬉しいことさ」
彼女はわずかな寂しさの中に、確かな安堵をにじませた。
「お前は一人でこの魔界に落とされて、ここまでやって来た。普通はできないことだ」
「皆が助けてくれたからです。なにより、ルドガーがそばにいてくれたから。私のことを大切にして、愛してくれたから。この前も言ったけど、出会ったのがルドガーじゃなかったら、こうなってないですよ」
あなたはルドガーと向き合い、微笑み合う。
本当に、加護というのは、もうすでに皆からもらっていると思った。
心にはすでに存在しているのだ。
生まれて初めて、誰かに寄り添ってもらっているという、温かで大切な気持ちが。
ゼイランもあなたに対し、ルドガーにやるように、親のような眼差しを向けていた。
そんな彼はネメニアに尋ねた。
「ヴェルガロン様。⋯⋯なぜに前もって加護を授けなかったのですか? あなたの力なら、誰にも気づかせずにそうすることも出来たはずでは」
ネメニアは当然のように、穏やかに答える。
「加護とは、その者が心から願い、欲し、選択することで価値が生まれるのだ。⋯⋯だからゼイラン、君が名無しに選ばれたそれは、君が授けた加護以上の価値があるのだよ」
長く生きた経験のあるネメニアの言葉は重く、情に満ちていた。
ゼイランは、はっとなる。
彼は贈られた大事な気づきを、静かにその胸へと刻み込んだ。