第27章 護るということ
約束の日。
あなたとルドガーは、騎士団本部の廊下にいた。
神妙な顔つきのゼイランに、整列させられている。
「いいかお前達。今日は一生に一度しかない特別な訓練だと思え。絶対にあの方の前で粗相をするんじゃないぞ」
主人は今日、全身黒づくめの衣装で銀髪も美しく整えている。
対して軍人らしく立っているルドガーも、黒スーツで凛々しい風貌だ。
「わかった。ゼイラン様。だが守護者は、俺が失礼なことを言っても怒らないぞ。安心してくれ」
「安心できるか。そもそも失礼なことを言うんじゃない、分かったな」
「了解だ」
噛みあっていない主人と獣の会話に、あなたはぷっと吹き出す。
「もう大丈夫ですってばゼイラン様。緊張しすぎですよ~。優しい人ですよ、守護者さまって」
「ああそうか。俺はまだ死にたくないんだよ。いいかお前ら、とにかく頼んだぞ」
めずらしくゼイランは己の胃を撫でながらぼやいた。
しかしそんな彼の眼差しが、ふっとあなたに向けられる。
「真面目な話だ。、俺はもう覚悟を決めている」
「……へっ?」
「お前がどちらを選ぼうが、構わないからな。変な遠慮をするなよ」
儚げな美男子にそんなことを言われ、あなたは目が点になる。
しかし、ルドガーも気になる様子でじっと見てきて、合点がいった。
大事なことを、きっと今日決めなければならない。
だからこんなにもぴりっとした空気なのだろう。
守護者もそうなのだろうか。
ふと考えたものの、あなたはしっかりと頷いて見せた。
「わかりました。では二人とも、行きましょう!」
「ああ、行くぞ、!」
ルドガーが元気よく答え、三人は同じ方向を向いて進んでいった。