第27章 護るということ
「それが私達の、守護者さまの第一の願いでしたので。⋯⋯そうですよね、閣下」
「ああ、そうだ。……つまり、皆のことが大事だということだな。それでいいではないか」
彼女は肩をすくめ、結局はそこに集結させた。
あなたはかしこまってしまったが、その思いに今は甘えることにした。
「デシエ。ゼイラン公爵に書簡のほうは送ったか」
「はい。迅速に」
「あれも持っておるか」
「ええ。こちらに、どうぞ」
二人のやり取りに、あなた達は何事かと見やる。
ネメニアは説明した。
「突然現れれば、困らせると思ってな。あらかじめ事情を伝えておいたのだ。……そしてこれを見ろ。これがあれば、嫌でも信じるだろう」
その手の中には、側近から受け取った黒い布があった。
細長く包まれていて、守護者の紋章も刻まれている。
中からは黒色に光る、刃渡りの十分な短剣が現れた。
「これはヴェルガロン家に伝わる、由緒ある霊剣のひとつだ。残り数本しかない」
あまりの輝きと重厚さが、煌々と物語っている。
とくにルドガーにはその特別さが伝わったようで、目の色が変わっていた。
「ふふ。触ってみるか?」
「……いいのか?」
ネメニアはそれをルドガーに持たせた。
彼は柄を握り、まじまじと刃の輝きを確かめている。
「大事にしろよ」
「……えっ?」
突然そう言われて、ルドガーは目を剥いた。
「武器はいくつあっても、よいだろう?」
艶やかな口元を上げて、告げられる。
ネメニアは優しい目つきであなたを見やる。
ルドガーは彼女の言わんとしてることを悟った。
自分の使命を後押しするかのような、守護者の信頼と支えに。
そして彼は、覚悟を決めたように剣を手にした。
「わかった。有り難く頂こう。大事にする」
そんなやり取りを見上げていたあなたは、彼の気持ちにつられるように、感動的な瞳をしていた。
「では行くか。お前たちの帰る場所に」
そう大人びた笑みを見せたネメニアに、あなたは声をかける。
「守護者さまっ、またここに遊びに来てもいいですか?」
「もちろんだ、いつでも来い。お前たちの部屋は、さっき見ただろう?」
ルドガーとあなたは顔を見合わせて、笑顔を広げる。
そうしてネメニアは、今度は三人で騎士団へと転移した。