第39章 【第三十四話】約束を守るために
呟いた瞬間。
遠く、閉ざされた通路の向こうで、眩い白銀の光が爆発した。
回廊全体が、真昼のように白く染まる。
リナリーが息を呑んだ。
「……何、あれ……」
アレンの顔色が変わる。
「イノセンスの光……。でも、こんな強さ……」
ラビには、考えるまでもなかった。
あれは、ティファの力だ。
けれど、普通じゃない。
普段の戦闘で使う光とは比べものにならない。
何かを限界まで引き出し、壊れる寸前で放ったような光。
「……っ、馬鹿野郎……!」
ラビは反射的に踵を返していた。
「ラビ!」
アレンの声が飛ぶ。
けれど、止まれない。
もう道が繋がっていないことなど分かっている。
戻っても辿り着けないかもしれないことも。
それでも、身体が勝手に走っていた。
「ティファ……!」
叫んだ声が、霧へ吸い込まれる。
来た道の先では、崩れかけた空間が歪み、白い断層となって通路を塞いでいた。
その向こうから、まだ微かに白銀の光が漏れている。
「どけぇぇっ!」
ラビは鉄槌を振り抜いた。
轟音。
霧が大きく弾けた。