第39章 【第三十四話】約束を守るために
ヴェインの姿が、再び時間のずれへ溶ける。
ティファは踏み込んだ。
一閃。
白銀の刃が空間を裂く。
ヴェインの影が揺れた。
二閃。
交差する光が、ずれた時間の境界を切り開く。
三閃。
今度こそ、ヴェインの刃が弾かれた。
「……っ」
ヴェインの反応が、一瞬遅れる。
ティファはその隙を逃さなかった。
一気に距離を詰める。
「縫い止める――!」
二振りの刃から、膨大な光が放たれた。
光は空中で三つに分かれ、巨大な槍へ姿を変える。
交差する軌道を描きながら、三本の光槍がヴェインへ迫った。
ヴェインの瞳が揺れる。
時間をずらし、回避しようとする。
けれど、白銀の光は、そのずれた空間ごと貫いた。
「っ……!」
胸元。
肩口。
脇腹。
三本の光槍が、ヴェインの身体ではなく、そのずれた輪郭ごと貫いた。
同時に、霧の揺らぎが止まった。
時間のずれが、縫い止められる。
崩れかけた空間へ、静寂が落ちた。
ヴェインは、三本の光槍に縫い止められたまま動かない。
「……なるほど」
苦しげに息を吐きながら、それでもヴェインは笑っていた。