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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第39章 【第三十四話】約束を守るために



「君の輪郭を、ほんの少しずらしただけだよ」

その瞬間、喉の奥でニルヴァーナが嫌な音を立てた。


白銀の光が、足元の霧へ吸われていく。

歌っていない。
まだ刃も振るっていない。

それなのに、身体の奥だけが、細い糸を引き抜かれるように削られていく。


「……っ」

ティファは喉元を押さえた。

ヴェインは静かに告げる。


「そのまま戦えば、君の方が先に尽きる」

その言葉と同時に、霧が一気に濃くなった。


白い壁が、ティファと仲間たちの間を分かつように立ち塞がる。

けれど、完全には閉じていない。

霧の向こうで、奥へ続く通路が軋んでいる。

崩れかけた回廊が、今にも消えようとしていた。


アレンが息を呑む。

「このままじゃ、先へ進む道まで……!」

その言葉に、ティファの胸が冷えた。


ここで全員が止まれば、道が消える。

ロードとティキのもとへ辿り着けなくなる。

クロウリーが命を削って繋いだ先を、自分のために閉ざすことになる。


それだけは、できない。

霧越しに、ラビの指先がまだティファの指へ触れていた。

熱は確かにある。

けれど、その感触は今にもほどけそうだった。


「離すな、ティファ!」

その声に、胸が震えた。


離したくない。

この手に縋っていたい。


けれど。
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