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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第39章 【第三十四話】約束を守るために



「少し、近づいたね」
「……何のこと」

「君の歌が、本来の形へ」

その言葉に、ティファの喉の奥が冷たく強張った。


「君の歌は、もう魂だけに触れていない」

「生きている者の心にまで、届き始めている」

ラビの眉が、ぴくりと動く。


「……何の話さ」
「気づいていない」

ヴェインの声は静かだった。


「君たちは、誰も」

その視線だけが、真っ直ぐティファへ向く。


「――君自身でさえ」

喉の奥でニルヴァーナが脈打つ。


嫌な感覚だった。

心の奥を、直接掴まれるみたいな。


ラビが一歩前へ出た。

ティファの半歩前へ立つその背が、ヴェインの視線を遮る。


「適当なこと言って、ティファを揺さぶるのはやめろ」

低い声だった。


「前にも言ったろ。用があんなら、はっきり言え」

ヴェインは、そこで初めてラビへ目を向けた。

僅かに、笑みが深くなる。


「相変わらず、彼女の前に立つんだね」
「……何が言いてぇ」

「別に」

ヴェインは、すぐに視線をティファへ戻した。


「ただ、君の存在は厄介だと思っただけだよ」

ラビの目が、鋭く細まる。

ティファは、ラビの背越しにヴェインを睨んだ。


「母のことを知っているなら、話して」

声は、自分でも分かるほど硬かった。


「あの夜、あなたは言った。母は私の歌について何かを知っていたって」

「言ったね」
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