第38章 【第三十三話】信じることの重み
「この部屋まで……!」
リナリーが息を呑む。
崩壊が始まっていた。
クロウリーは血を吐きながら叫んだ。
「早く行け……ッ!!」
「僕が残ります!」
アレンが一歩踏み出す。
「クロウリーを置いてなんて――」
「ならば誰がリナリーやチャオジーを守れる!!」
クロウリーの怒号が、書庫に響いた。
アレンの足が止まる。
クロウリーは、ジャスデビを抱え込んだまま、必死に踏み止まっていた。
「この扉の先にも、ノアが居るのだぞ!?」
「……っ」
ラビの拳が震える。
ティファは唇を噛み締めた。
「吾輩の傷では……そう長くは持たぬ」
クロウリーの声が掠れる。
それでも、彼の瞳は真っ直ぐだった。
「だから、行けと言っているのだ……!」
ジャスデビが暴れる。
さらに髪が突き刺さる。
クロウリーの身体が大きく揺れた。
けれど、腕は離れない。
「アレン……ラビ……ティファ……」
呼ばれた三人の表情が、凍る。
クロウリーは、血に濡れた顔で笑った。
「お前達なら、この先へ進める」
「そう信じているから……行けと言っているのだ……ッ!」
ティファの胸が、強く痛んだ。