第38章 【第三十三話】信じることの重み
そして、針のような髪が、クロウリーの全身へ突き刺さる。
「ぐ……っ!」
「クロウリー!!」
黒い団服が、赤く染まっていく。
それでも。
クロウリーは、両手を伸ばした。
「……捕まえた」
ジャスデビの目が見開かれる。
クロウリーは、自分を貫く髪を逆に掴んだ。
血に濡れた手で。
震える腕で。
それでも、力任せに引き寄せる。
「アレン!」
「ラビ!」
「ティファ!」
三人が顔を上げる。
クロウリーは、ジャスデビの身体へしがみつくように抱きついた。
「リナリー達を連れて――次の扉へ入れ!!」
「な……っ」
アレンの顔色が変わる。
「何を言ってるんですか!」
「クロウリー、貴方そんな怪我してるのに!」
ティファも叫ぶ。
だが、クロウリーは首を振った。
「早く!」
「放せよ、変態ッ!!」
ジャスデビが怒鳴る。
さらに髪が突き刺さる。
クロウリーの背中へ。
脇腹へ。
腕へ。
「ぐあ……っ!」
それでも、クロウリーは腕を緩めなかった。
足元が揺れる。
ビシッ。
床に亀裂が走った。
壁の本棚が傾き、無数の本が雪崩のように落ちる。