第38章 【第三十三話】信じることの重み
「アレンを離して!」
白銀のレイピアが、星形の拘束へ向かって走る。
だが、その刃が届くより早く、ジャスデビの金色の髪が床を這った。
「っ!」
足首へ絡みつく。
次の瞬間、強く引かれた身体が横へ流された。
ティファは咄嗟に片手を床へつき、体勢を崩しながらもレイピアを振るう。
銀の刃が髪を断ち切った。
けれど、切れたはずの金色の束はすぐにほどけ、今度は壁のように彼女とアレンの間へ広がる。
「く……!」
ジャスデビが薄く笑った。
「邪魔しないでよ」
ティファは後退し、アレンへ向かう道を塞がれた。
その時。
星の後ろから、血に濡れた手が突き出る。
「……!?」
ジャスデビの目が見開かれた。
星の磔を内側から掴み、力任せに引き裂いたのは――クロウリーだった。
「吸血鬼……ッ」
「吸血鬼では……ない」
クロウリーが血を吐きながら笑う。
「吾輩は……」
バリン、と星が砕けた。
「アレイスター・クロウリーである……ッッ!!」
アレンの拘束が外れる。
台座から飛び降りたラビが、崩れ落ちかけたアレンの身体を受け止めた。