第38章 【第三十三話】信じることの重み
歌うたび、二人の影が床の上で伸びていく。
絡み合い。
溶け合い。
ひとつに混ざっていく。
そして。
歌が途切れた。
カチリ。
二つの引き金が、同時に引かれる。
銃声。
デビットとジャスデロの身体が、ぐらりと揺れる。
けれど倒れない。
足元から溢れた黒い影が、彼らを呑み込むように膨れ上がっていく。
同時に。
リナリーを閉じ込めていた球体が、びしりと音を立てた。
「……え?」
リナリーが息を呑む。
透明な膜に、細かな亀裂が走る。
デビットとジャスデロの意識が、融合へ向かったせいなのか。
それとも、力の形が変わったせいなのか。
球体は形を保てなくなったように、音もなく崩れていった。
「リナリー!」
ティファが駆け寄る。
力の入らないリナリーの身体が崩れ落ちる寸前、アレンとティファが左右から支えた。
「大丈夫ですか!?」
「……うん」
リナリーは小さく頷いた。
けれど、まだ脚には力が入っていない。
ティファは彼女の腕を自分の肩へ回し、支え直した。
その間にも、デビットとジャスデロの影は絡み合い、溶け合い、ひとつに混ざっていく。
「……一体化してる」
ティファの声が掠れた。