第38章 【第三十三話】信じることの重み
アレンは息を吐いた。
「……少しだけ、すっきりしました」
「リナリー、大丈夫? 今出すわ」
ティファが球体へ駆け寄ろうとした、その時。
ぞわり。
空気が変わった。
「……?」
ティファの足が止まる。
「何だか……嫌な感じがするわ」
クロウリーも顔を顰めた。
「あのノアの能力は次に何がくるか予想がつかん……ガキは扱いづらくて嫌だ」
瓦礫の奥から、低い笑い声が聞こえた。
「……ガキ」
デビットの声だった。
「ガキ、ガキって……マジでナメてね……?」
ジャスデロの声も重なる。
「遊びは、やめた……」
二人が、ゆらりと立ち上がる。
「マジで……消しちゃうわ……」
ラビが台座の上で眉を寄せる。
「何さ……!?」
デビットとジャスデロは並ぶように立った。
それぞれの銃口が、ゆっくり持ち上がる。
向けられた先は、敵ではない。
互いの頭。
「……何を」
ティファが呟く。
二人は、子守歌のような、歪んだ旋律を口ずさみ始めた。
ゆりかごが、ひとつ現った。
ゆりかごに、ひとつが在った。
ひとつは、ふたつに為った。
ゆりかごは、ひとつ。
霧に紛れて、星ひとつ。
墓場でゆれて、消えてくよ。