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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第38章 【第三十三話】信じることの重み



アレンのすぐ後ろ。

いつの間にか、一人の男が立っていた。


黒い髪。
緩くうねったパーマ。
白いシャツ。

そして、分厚い瓶底眼鏡。

男は片手をひらひら揺らしている。

その指先には、小さな鍵。


「あるよ」

気怠げな声。

男が、にやりと笑った。


「出口だけならね」

一瞬。

アレンの瞳が大きく見開かれる。

ラビも固まった。
クロウリーが青ざめる。


「ビン底!!?」

ティファの喉の奥で、ニルヴァーナが不穏に脈打った。


――汽車の男。

あの時と同じ、底の見えない笑み。

リナリーも、支えられたまま警戒するように男を見る。


「……誰?」

男は肩を竦めた。


「酷ぇなぁ。その呼び方」
「な、何でこんな所にいんのさ!?」

ラビが叫ぶ。

男は答えない。

ただ、鍵を指先でくるりと回した。

その時。


「おい」

低い声。

神田だった。

六幻を向けたまま、男を睨んでいる。


「そいつ……殺気出しまくってるぜ」

空気が、ぴたりと止まる。


男は数秒だけ神田を見つめ――。

ふ、と笑った。


その笑みだけで。

ティファの背筋を、嫌な寒気が這った。

ティキは、アレンの目前まで歩み寄る。


「少年」
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