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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第41章 【第三十六話】記録者の帰る場所



言うが早いか、クロスはティファの身体を、ラビへと預けた。

とっさに、両腕で受け止める。


――軽い。

それが、最初に来た。

崩れ落ちそうなほど、頼りなく軽い。


けれど。

腕の中に伝わる、確かな体温。
そして、ゆっくりと、けれど確かに上下する、胸元の微かな動き。

息を、している。


「……ぁ」

喉の奥から、声にならない音が漏れた。


さっきまで、確かめることすら怖かった呼吸が、今、この腕の中にある。

ラビは、腕の力を、ほんの少しだけ強めた。


壊さないように。

けれど、二度と、どこへも行かせないように。


「――喉を潰しかけてる」

クロスの声が、低く続いた。
その視線は、ラビの腕の中の、ティファの喉元へ向いている。


「揺さぶるな。無理に、声を出させるな」

「……何が、あったんさ」

掠れた声で、ラビは問うた。

「ティファに、何が」


クロスは、答えなかった。

新しい煙草を、くわえ直す。


「本人に聞け」

そして、ふっと、煙を吐いた。


「……そいつが、目ぇ覚ませたらな。そいつを抱えて、結界の中から出るな」

クロスは、既にティキの方へ向き直っている。

「俺が片付けるまで、絶対に動くな」


ラビは、ティファの身体を、慎重に抱き直した。
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