• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



黒の圧が、ふっと途切れた。

ティファの光膜が、音もなくほどける。

ミランダ達への直撃は、もうない。

けれど次に伯爵が狙ったのは――結晶の中のリナリーだった。


ティファは顔を上げた。

本能が叫ぶ。


――駄目だ。

ティファは地を蹴った。


「伯爵!!」

白銀のレイピアが閃く。

だが。


『無駄ですヨ♡』

白い腕が、ティファを薙ぎ払った。


「ぁ――ッ!!」

凄まじい衝撃。

ティファの身体が吹き飛ぶ。

地面を転がる。
喉が焼ける。

呼吸ができない。


「ティファ!!」

ラビの叫びが遠い。

その間にも。

伯爵が、結晶の中のリナリーへ手を伸ばす。

リナリーの顔が恐怖に歪んだ。


「いや……っ!!」

黒が迫る。

誰も間に合わない。

その瞬間だった。


「――こんばんは。伯爵」

静かな声。

伯爵の動きが止まる。

リナリーの後ろ。

白銀の髪。


そこに立っていたのは――

アレン・ウォーカーだった。


黒く抉れた大地に、冷たい風が吹き抜ける。

伯爵の一撃によって、街は跡形もなく崩壊していた。

地面から突き出した巨大な結晶だけが、淡い光を放ちながら静かに脈打っている。
/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp