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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



結晶の中で、リナリーがゆっくり目を開く。


「ラビ……」

掠れた声。

「ティファ……神田……」

涙が滲む。

「みんな……みんな!!」


その瞬間。

マリの表情が変わった。

「……っ」

聴覚に特化したエクソシストである彼には分かる。

これはただの音じゃない。


「リナリー・リーの声なのか……!?」

ワイヤーが微かに震える。

「こんな音は……聴いたことがない……!」


その時。

遠くから、ティエドールの叫びが響いた。


「マリ!! 危ないよ!!」

全員が顔を上げる。


伯爵が。

“リナリー”を見ていた。


ぞくり、と空気が凍る。

マリが叫ぶ。


「危険だぞ神田!!」

だが、その声と同時に。

ティキが笑った。


「もらうよ 彼女」

次の瞬間。

ティキが神田へ踏み込む。

「!!」


ガギィィィン!!

六幻が火花を散らす。


「ユウ!!」

ラビが叫ぶ。

だが、その背後。

巨大な影が落ちた。


「甘いのは好きか?」

スキン・ボリックだった。

轟音。

スキンの拳が、ラビごと吹き飛ばす。


「っ……!」

ラビは咄嗟に体勢を立て直そうとした。

けれど、結晶の中のリナリーへ向かう伯爵の姿が、視界の端に映る。


「リナリー……!」

届かない。
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