第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸
次の瞬間。
ズバァァァン!!
融合AKUMAが、あまりにもあっさり真っ二つに裂けた。
静寂。
ラビが固まる。
ブックマンも、クロウリーも目を見開いていた。
自分達があれほど苦戦した巨大AKUMAが。
一撃。
神田はゆっくり振り返る。
そして、ラビを睨みながら低く言った。
「……貴様、俺の名を呼ぶんじゃねぇ。刻むぞ」
ラビの背筋がぞわりと震える。
「……相変わらず怖ぇ……」
屋根の上。
ティファは、崩れ落ちたミランダを抱き起こしていた。
「ミランダ、聞こえる?」
ミランダは荒い呼吸を繰り返しながら、それでも小さく笑った。
「ティファ……ちゃん……私は、大丈夫だから……」
震える指が、ティファの袖を掴む。
「行って……あげて」
その視線の先。
ティキと対峙する神田。
気絶したリナリーを抱えるラビ。
まだ戦いは終わっていない。
ティファは唇を噛み、立ち上がりかけた。
その瞬間だった。
――ぞわり。
喉奥で、ニルヴァーナが警鐘みたいに脈打つ。
「……っ!」
ティファが顔を上げる。
空。
江戸全体を覆う黒。
その中心で、伯爵がゆっくり両腕を広げていた。